2007年4月13日

                                   
北電の伊達火発の重油漏れ検知装置の不正改造の隠蔽等に関する談話

1.北電は、4月10日、伊達発電所で、燃料輸送用パイプラインの重油漏れ検知装置が作動しないように不正改造し、その事実を隠蔽していたことを公表した。
 不正改造された検知装置は、2004年時点で65基あり、40基はその後正常なものに交換されたが、残る25基は現在も設置されたままである。
 伊達発電所の複数の所長経験者が不正改造の実施と隠蔽を認めており、「相当長い期間、行われていた」とみて調査が進められている。

2.この事態は、4月4日に北電本社広報部に届いた匿名の手紙に基づき、社内調査により「9人の同発電所スタッフ中、所長を含む8人が不正を認め、総点検の際に所長の判断で申告しないことを決めた」、さらに、「本社火力部保守グループリーダーも不正改造を把握していたことを認めたが、総点検の際には申告していなかった」ことが示すように、「組織的に不正と隠蔽」が行われていたと断じざるを得ない。

3.全国の各電力会社においてデータ改ざんや原発事故隠しが相次ぎ、経済産業省原子力安全・保安院は、2006年11月30日に各電力会社に発電設備に係わる調査・点検を指示した。その結果、2007年2月21日、北電においても複数の火力発電設備のデータ改ざんが明らかになった。
 連合北海道は、相次ぐ企業不祥事を反省し、企業の社会的責任やコンプライアンス(法令遵守)が強く求められているなか、公益企業でもある北電には、どこよりも高いモラルと安全最重視の姿勢が求められるとの立場から、データ改ざんに対して抗議と原因究明と責任の所在の明確化、再発防止策を早急に示すことを求めてきた。

4.北電は、3月30日に電力不正総点検の結果について経済産業省へ報告書を提出した。しかしながら、この報告書には、「伊達発電所での検知装置の不正改造」は隠蔽されており、報告書の信頼性が大きく揺らいでいる。
 連合北海道は、北電に対して、不正改造と事実の隠蔽に対して、改めて強く抗議するとともに、@この際、不正があれば隠さず、すべて公表する。さらに、第三者を加えたチェック・調査機関の設置、A「安全よりも効率を最優先」する体質を職場末端から抜本的に改善するための取り組み、B地元自治体、住民、道民との信頼を回復するための説明責任、について強く求めるものである。
 さらに、現在の経済産業省の行う安全規制を強化するためには、欧米のように安全規制は独立した組織によって行われていることを教訓化し、組織の独立性が保持されるように改革することを国に求めていく。

 以  上