連合発 談話 第09-00074号
2006年12月27日
各構成組織書記長・事務局長
各地方連合会事務局長 様
日 本 労 働 組 合 総 連 合 会
事 務 局 長 古 賀 伸 明
雇用保険部会報告「雇用保険制度の見直しについて」に対する談話
1.本年3月以降、雇用保険制度について検討を重ねてきた職業安定分科会・雇用保険部会(部会長:諏訪康雄・法政大学教授)は、12月27日、報告「雇用保険制度の見直しについて」をとりまとめた。
主な内容は、国庫負担の削減、雇用福祉事業の廃止、2007年度からの保険料率の引き下げ(1000分の16から1000分の12へ)などである。行政改革推進法等で掲げられた、国庫負担の「廃止を含めた検討」を前提とした見直しであった。
2.雇用保険給付に対する国庫負担は、雇用政策に対する政府の責任を示すものであり、全廃はもちろん、安易な引き下げは許されない。財政審における高木会長の粘り強い主張、全国での街頭宣伝、審議会での対応等の連合の取り組みによって、国庫負担4分の1という枠組みは堅持され、45%の削減にとどまった。また、特例一時金は、廃止も視野に入れた議論の中で、現行の50日分から当面40日分への引き下げとなった。だが、季節労働者にとっては、特例一時金は冬季の生活の維持に欠かせないものである。給付水準の引き下げは到底納得できない。
3.「報告」では、このほか、@育児休業給付の暫定的な引き上げ(40%から50%へ)と育児休業期間の被保険者期間への不算入、A短時間労働被保険者の区分の廃止と受給資格要件の変更、B教育訓練給付制度の見直し等が盛り込まれている。これらは、被保険者にとっては重要な改正であるため、周知の徹底や制度変更による影響を最小限にとどめる措置が不可欠である。
4.雇用・失業情勢は改善傾向にあるとされるが、失業率は依然として4%台にとどまり、失業者の3割超は長期失業者である。雇用の増加も非正規雇用の拡大によるものである。このような中で、現在の雇用保険制度が、働く者にとって本当にセーフティネットとなっているのかどうか、今後検証されなければならない。連合は、失業者の生活保障と働く意思を持つすべての者の就労支援の観点から、制度の改善・充実を求めて、取り組みを強めていく。
以 上