2006年12月11日
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長 渡 部 俊 弘
自衛隊のイラク派遣延長の閣議決定にあたっての見解
〜国民世論無視の航空自衛隊派遣延長決定に抗議する〜
安倍首相は8日、臨時閣議を開催し、イラクでの航空自衛隊派遣期間をイラク復興支援特別措置法の期限にあたる来年7月31日まで延長する基本計画の変更を決定した。国民世論を無視した自衛隊の派遣延長の決定に強く抗議する。
国民の反対を押し切り、憲法を踏み外して、2004年1月16日にイラクへ自衛隊が出発して2年10ヶ月余りが経過した。
ブッシュ政権がイラクへの先制攻撃を正当化する根拠としたイラクの大量破壊兵器の保有の根拠は「イラクにはいかなる大量破壊兵器も存在しなかった」とする米国調査団の最終報告により否定され今や、イラク戦争の大義は完全に崩壊している。
イラクでは、今もなお、戦闘状態が続きテロも頻発し、多くの市民と兵士の命が失なわれ、世界各国が内戦状況であることを認めている。アメリカ国内でも、中間選挙での共和党の敗北を受け、べーカー元国務長官らが率いる「イラク研究グループ」は6日、08年8月までに約半数の戦闘部隊を段階的に撤退させることを求め、ブッシュ政権はイラク政策の転換を迫られている。
政府内でも久間章生防衛庁長官が、「米国のイラクへの武力攻撃について、小泉前首相が支持したのは、首相の個人的な見解だ」などと国会で答弁するなど、イラクの派遣の根拠は完全に失われているとともに、「自衛隊が派遣されるのは、非戦闘地帯だ」などという詭弁は完全に崩壊している。
連合北海道は、政府与党がイラク復興支援特別措置法を強引に成立させて以降、イラク戦争の開戦の経緯や憲法上の疑義から、連合北海道は自衛隊のイラク派遣に一貫して反対し運動を続けてきた。圧倒的多数の国民も自衛隊員の安全や派遣の正当性に疑念を抱いており、自衛隊の即時撤退を求めている。
私たちは、引き続き派遣を延長することは断じて容認できない。国連憲章や日本国憲法の精神に立脚して、引き続き、イラクから自衛隊の即時撤退を求める。
以 上