2008年12月4日

                                    連合北海道 事務局長 村田  仁
                                          
                                   
独立行政法人「雇用・能力開発機構」厚労省最終報告に関する事務局長談話

厚生労働省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」の見直しを検討していた、厚生労働省の「雇用・能力開発機構のあり方検討会」(座長 庄山悦彦日立製作所会長)は12月2日、「雇用・能力開発機構」の業務を職業訓練業務に特化したうえで、新法人への改組を含めて機構を存続させる内容の最終報告をまとめた。
 最終報告は、

 〈1〉「職業能力開発促進センター」(全国61か所)は国の施設として都道府県に原則1か所設置し、希望があれば都道府県などに移管。
 〈2〉「職業能力開発大学校」(同10か所)は国が継続して運営するのが妥当。
 〈3〉職業体験施設「私のしごと館」(京都府)は現在の民間委託が終了する2010年8月末で廃止し、施設の利用のあり方などを検討する。
 という内容である。

 北海道においてはバブル崩壊後、有効求人倍率も低迷しており、最近の金融危機の影響によってさらに悪化し、10月の有効求人倍率は0.45ポイントとなっている。また、完全失業率も4.9%となっている。
 このような雇用状況にも関わらず、「雇用・能力開発機構」を縮小することは、公共職業訓練の機会を奪うものであり、雇用対策法の方針にも反し国の雇用政策の責任を回避するものである。
 北海道には、「雇用・能力開発機構」の訓練施設が4カ所(札幌・函館・旭川・釧路)しかなく、現状でも均等に職業訓練を受ける機会を提供できていない。民間専門学校等も札幌市に集中しているため、道内の札幌市近郊以外の地方では、公共訓練施設の科目廃止や縮小も相まって、職業能力開発の機会が得られないという地域格差が拡大している。「職業能力開発促進センター」を都道府県に原則1か所とする今回の報告は断じて認めることはできない。

 今、非正規労働者は社会問題化し、北海道においては約4割に拡大している。政府は、非正規労働者に対し公共サービスとしての職業訓練制度を充実させ、職業能力の向上こそやるべき施策である。
 連合北海道は、公共職業訓練施設「雇用・能力開発機構」の縮小について強く反対するとともに、今後も公共職業訓練充実の運動に取り組んでいく。
  以 上