2008年1月15日

                                    連合北海道 事務局長 村田  仁
                                          
                                   

新テロ対策特別措置法の衆議院可決・成立に対する談話

インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開する新テロ対策特別措置法は、11日午後の衆議院本会議で憲法59条の規定を適用し、出席議員の3分の2以上の賛成多数で再議決・成立した。これに先立つ参議院本会議では、民主党など野党の反対多数で否決され、民主党提出の「対案」が可決された。
政府は対テロ新法成立を受け、旧テロ特措法の失効に伴い昨年11月から中断していたインド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するため、16日にも海上自衛隊派遣の実施計画を閣議決定し、月内に海自補給艦などを出航させる見通しである。

新テロ対策特別措置法は、昨年11月1日に期限切れになった旧法に代わる1年間の時限立法であり、海上自衛隊の活動は給油・給水に限定し、国会承認事項は削除された。
 政府は活動を限定しているため国会承認の規定は不要だとしているが、自衛隊の活動のあり方は国会が厳重にチェックすることが文民統制の原則であり、極めて問題である。
 また、旧テロ特措法に基づき自衛隊が行ってきた6年間の給油支援活動については、政府・防衛省の情報開示が不十分であり、論議が尽くされたとは言えない。イラク作戦への転用疑惑、防衛省にまつわる数々の不祥事などについて十分に説明責任が果たされず、必ずしも国民の理解が得られたとは言えない状況の中で対テロ新法が成立したことは遺憾である。

衆参「ねじれ国会」の焦点とされてきた新テロ対策特別措置法であるが、政府・与党が臨時国会を2度まで会期延長し、新テロ対策特別措置法に対する世論の反対を押し切って成立させた事は、年金・雇用をはじめ、地域医療の確保や原油高に伴う灯油等の石油製品高騰など道民生活に直結した問題が山積しているにも関わらず、安心・安全の生活を切望する道民の期待を裏切るものである。

連合北海道は真に国民生活の安心と安全を保障するための審議が最優先されることを切望し、国際社会の重要な一員としての日本の役割と貢献について、与野党を超えた議論を深め、国の基本政策が政治の駆け引きとならないよう求めていく。       
以上