2006年6月26日
 
米国産牛肉の輸入再開決定に関する見解


 米国産牛肉に牛海綿状脳症(BSE)の特定危険部位が混入し輸入停止していた問題で、政府は21日、米政府との間で混入が起きた施設以外は問題がないとして輸入再開を合意した。
 昨年12月、検査体制に大きな不安がある中で輸入が再開され、危険部位の混入が起こる事態となった。食品安全委員会が輸入再開の前提とした輸出プログラムが守られなかったことは重大な問題である。また、特定危険部位混入問題の解明に内閣府・食品安全委員会への諮問をという消費者の願いを無視し、日米専門家会合において結論を出したことは、国民の命を軽視した、米国追従による政治決着であると言わざるを得ない。国民は前回と同様に、政府の拙速な輸入再開に大きな怒りを抱いている。

 連合北海道ならびに「食・みどり・水を守る道民の会」は、拙速な輸入再開を認めるべきではないと主張してきており、今回の政府の決定に強く抗議する。

 日本では2001年から畜産農家の協力も得て世界で一番厳しいBSE対策がとられ、消費者も国産牛肉の安全性を感じている。日本では厳しい措置を続けながら、米国には甘い基準を許すという不合理も納得できない。
安全管理態勢への不安や、安全性の十分な解明もできていない米国産牛肉の輸入は、とうてい容認できるものではない。輸入再開はあくまで全頭検査を前提の上、加工品や外食産業を含め今後すべての牛肉製品に原産国表示を義務づけることを政府に強く要求する。

 私たちは今後も、安全・安心を第一とした消費者・生産者が納得のいく食品安全行政を進めることを強く求め、消費者・農民団体などとともに運動を展開していく。

以上

日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長  渡 部 俊 弘
食・みどり・水を守る道民の会    
会 長  松 本 容 司