2024年度 幌延深地層研究センター 事業計画説明会開催報告

【連合北海道・政策情報No.9(2024年7月26日)】

連合北海道・和田事務局長の挨拶

連合北海道は7月26日、ホテルポールスター札幌にて「2024年度幌延深地層研究センター事業計画説明会」を開催した。説明会には立憲民主党北海道総支部連合会、国民民主党北海道総支部連合会、北海道平和運動フォーラム、北海道民社協会のほか、4産別1地域協議会など19名が参加した。

開会に先立ち、連合北海道の和田英浩事務局長は、「連合北海道として深地層研究センターのあり方について、基本的に核の廃棄物を持ち込ませないという基本的な流れの中で深地層研究センターには誠実に対応していただいている。これまでも深地層研究に関して一定の理解をしてきているが、理解不足や行き違いなどもあると思われるので、中身がどのような形で進んでいるかを学びながら、互いに胸襟を開いて理解を深めたい」と挨拶した。

幌延深地層研究センター・佐藤所長の挨拶

続いて、幌延深地層研究センターの佐藤稔紀所長は「これまで連合北海道の理解をいただきながら事業を進めてきている。昨年から深度500mに向けて掘削作業を行っており、東立坑が480m、換気立坑が435mまできている。また、昨年度からOECD MEA(国際協力機関)の協力を得て、アジア、オセアニア、ヨーロッパの研究機関の参加により掘削プロジェクトを進めているところである。研究センターとしては、三者協定にある核廃棄物を持ち込まない、NUMOに譲渡・貸与しない、研究終了後には埋め戻すことを遵守する前提で作業を進めていく。一方、坑道掘削は重大な災害を引き起こすこともあり、安全第一に作業を進めていくとともに、まだまだ地層処分の研究開発は国民に理解が広まっていないため、積極的に広報広聴活動をしていきたい。」と挨拶した。

続いて星野総務・共生課長から実際の地質環境における人工バリアの適用性確認や地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証、安全確保の取り組みなど令和5年度調査研究成果報告、令和6年度調査研究計画の説明が行われ、最後に地層処分を取り巻く国やNUMOの活動状況や研究に対する評価を報告した。

会場全体の様子

質疑・意見交換では、①北海道平和運動フォーラムから「高濃度放射性廃棄物の半減期」「人工バリアの耐用年数」、「地震で活断層がずれた場合の状況」、「これまでの研究段階から出てきた課題」、「沿岸の掘削計画の状況」、「令和10年度で研究を終了できる見込みの状況」、②立憲民主党北海道総支部連合会から「国際プロジェクトで幌延に常設している研究機関はあるのか」、「海外の国際共同プロジェクトに参画していくことがあるのか」、③国民民主党北海道総支部連合会から「幌延での環境調査では影響なしだが実際の処分地とは状況が違うことについての疑問」、④北海道民社協会から「深地層掘削時の安全対策と硬い地層や岩盤への掘削判断」、⑤連合北海道から「これまで行ってきた研究成果と今後の研究課題を示してほしい」などが出され、幌延深地層研究センター佐藤所長は、具体的に詳細にわたって回答した。
最後に司会をした永田総合政策局長より、幌延深地層研究センターに対し、本日の説明に対するお礼を申し上げ閉会した。

 

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