STOP!「定額はたらかせ放題」教職員の働き方改革シンポジウム
連合北海道と北教組は2月24日、札幌市内で「教職員の働き方改革シンポジウム」を開催しました。
主催者を代表し挨拶にたった荒木連合北海道副事務局長は、「我々働くものの問題の中には労使による交渉だけでは解決できない法律や条例を元にした課題が多くある。教職員の長時間労働問題もその一つです。1人でも多く、我々働くものの政策を理解し実現のためご協力いただける国会議員や知事、道議、市町村議会議員を増やすことが極めて重要」とし、「教職員の長時間労働の問題については、これまでも北教組や道私教協などの教育関連産別と連携し、課題解決に向けて取り組んで来ました。長時間労働の要因である給特法の課題、教職員の定数の問題などについては、社会的な課題として連合加盟の産別と課題の共有が必要。2017年以来となる、本シンポジウムを通し、現状の認識を深め、今後の運動につなげていく。」と訴えました。
引き続き第1部では「教職員の働き方改革の現状と長時間労働是正に向けて必要なこととは」と題し、連合総研で「教職員の働き方・労働時間調査研究委員会」の委員を務めた早稲田大学教授の油布佐和子先生より基調講演が行われました。
油布先生からは、働き方改革の背景や教職員の働き方への対応、長時間労働が変わらないことなどについて「どんな大学でも教職員の義務は教えるが、権利を教えることはない。労働者の権利意識が希薄化し、自分が我慢するしかないという現状は、なかなか是正されない」と述べ「定額働かせ放題の給特法はまず廃止。仕事の中心である授業をきちんとやるためには一体どれだけの必要最低限の時間が必要なのかを明示して義務標準法・高校標準法を見直すこと、持ち時間数の適正化を図ることが大切」との内容の講演がありました。
第2部ではフリージャーナリストの前屋毅さんをコーディネーターに、現場教職員2人、日教組から丹野久書記次長、北教組から佐野和孝書記次長、さらに第一部で講演した油布さんによるパネルディスカッションが行われました。
現場で働く教職員からは「毎朝、自分の子どもの朝起きる姿を見ることが出来ず、朝7時には学校に出勤している。在校中はトイレに行く時間もない」など過酷な勤務状況の報告があり、次にこのような労働環境を是正するために、教職員の意識改革の必要性や、部活動の社会移行と現状、給特法の廃止など法改正の必要性、そして、このような学校が抱える課題を社会全体に認知してもらう必要性などについて、ディスカッションが行われました。なかでもパネラーである現場教職員2人の方からあった「残業代・お金が欲しい訳ではない。教師として子どもたちと向き合う時間が欲しいのです」との発言に、会場では大きくうなずく参加者が数多くみられました。
シンポジウムの最後に木下連合北海道副会長・北教組委員長が閉会挨拶し「学校から子どもたちの笑顔が消えてはいけない。現場で働かれている教職員の方々が健康を害するなど教職員から笑顔が消える、これも絶対いけない。私たちは教職員の労働組合として研究や発表ももちろんだが『運動』を学校現場の方々と一緒に携えて前に進んでいく。今日のシンポジウムを起点として、しっかり運動を構築して参りたい」との決意を述べました。
連合北海道は今後も北教組・道私教協などの教育関連産別と連携し、教職員の長時間労働是正の重要性を道民全体に広めていきます。